「芸予」で落下と同構造 プールのつり下げ天井 宮城南部地震
2005年 8月17日 (水) 15:16 産経新聞
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/20050817/e20050817005.html?C=S
プール好きとしては、先日の宮城沖地震で、天井が派手に崩壊したプールの事故は気になる話。
どうも話からすると、ただの単純な手抜き工事や設計ミスとは違った、ややこしくひねた話になってきそう。役所特有の責任転嫁、擦り合いになりそう。
過去の地震、2001年芸予地震,2003年十勝沖地震でも、空港ターミナルビルや体育館の天井が同じ様に落下する事故があり、それを受け国土交通省が調査し、再発防止の為の改善策を各都道府県に通達したとのこと。
その辺りの資料として、「独立行政法人 建築研究所」ってとこの報告書「2003年十勝沖地震における空港ターミナルビル等の天井の被害に関する現地調査報告」ってのが普通にWEBで閲覧でき、リアルです。
「2003年十勝沖地震における空港ターミナルビル等の天井の被害に関する現地調査報告
http://www.kenken.go.jp/japanese/research/prd/list/topics/tokachioki-chosa/tokachi-20031015-1.pdf
この文章も重要かな、
大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策について
http://www.kenken.go.jp/japanese/information/information/press/20031015.pdf
要するに今回の事故はそれらの、調査通達が全く生かされていなかった事になりますね。もったいない。
役所の縦割システムの所為かは分からないけど、単純に情報がきちんと正しく伝わっていなかっただけのこと。
そっただの「伝言ゲーム」、さて誰がミスをしたのかな???。国土交通省?、それともその下の独立行政法人建築研究所?、それとも仙台市?、それとも建築業者?。さて誰でしょう?。責任は誰が取るのでしょう?。そうそう、仙台市の藤井黎市長は「国土交通省の通達は市から業者側に伝わっているはずで、市はなすべきことはやっている」とのたまい早くも責任逃れの体制に入っているようです。
この建物を建てたシステムがまたこれ、ちょっと。
何でも、仙台市のWEBで、「仙台市の施設では初めてとなるPFI方式を採用しております。」なんて得意げに謳っているんだよね。
仙台市-「スポパーク松森が7月1日オープンします」
http://www.city.sendai.jp/kankyou/shisetu/matumori/spo-park/
このPFI方式って何?って、以下がそのPFI方式の説明サイト。
内閣府PFI事業ホームページ
http://www8.cao.go.jp/pfi/
PFI方式と従来方式の違い
http://www.jcca.or.jp/iinkai/pfi/NewFiles/3.html
要するに、役所の新しい丸投げシステムってやつ。第4セクターなんて名前にした方が分かり易い?、嫌味だけど)。
PFIシステム自体は、それなりの理想がありしっかりはしているとは思うけど、何でも内閣府webに「英国など海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、・・・」何て言っているけどさ、欧米の論理理想効率文化上でのシステムで、それが日本の談合天下り文化上で果たしてまともに機能するとは思えない。まっ、だから結果的に今回の事の様な事が起きて来るんだろうけどね。
「スポパーク松森」の事業スキームとして、以下の文章があります。
複合健康施設「スポパーク松森」(地域主導型PFI事業)に対して、プロジェクトファイナンスを組成
http://www.77bank.co.jp/nto/pdf/05071501.pdf
んんんー、ねぇ、沢山の企業名、沢山の業務委託の文字、孫請け、ひ孫請け・・・、これじゃ、話が通るのも通らないだろうね、よっぽど統制能力のある人、会社だったら別だけど。
まっ、そんなこんないってもこの施設「スポパーク松森」は第1回日本PFI特別賞なんて立派なものも受賞しているんだよね。
仙台市松森清掃工場関連市民利用施設
http://www.ina-shinkenchiku.com/photo/pf-02.html
第1回日本PFI大賞・部門賞・特別賞受賞事業及び受賞者
http://www.taalo-bakernet.com/j/topics/pop/pfi_award_032305.pdf
そんなコンペを企画するのも、やぼったいね。
まっ、まとめとしては、せっかく賞もとって、何とか無事にオーブンして、そんな所に滅多に起きない地震が起きたばっかりに、地震特有の液状化現象が起きて伝達ミス、組織的ミス、人為的ミス、設計ミス等数々のちょんぼが露呈されちゃったって事でしょうか。
今のニッポンを凝縮したような事柄でした。
しかし、死者や重傷者がいなかったようなので、それだけは良かったです。